082 気まぐれ  (もぞ)

(微エロ描写含)

いつもなら。
本心を悟られまいと邪険な扱いをしていたというのに。
あの人を待っている身で、愛しい少女を堕としてはならないと自制してきたのに。
この日は、いつも以上に彼女を傷付けて、思った以上に泣かせてしまったものだから、つい抱きしめたくなってしまった。

…瀬戸口は高を括っていたのだ。
こちらが迫れば、おそらく彼女の方から離れていってくれるだろうと。
そう、今までに一度たりとも、好意を受け入れたことも表したこともない仲だったのだから。

だが。
どういうわけなのだろう。
二人は倉庫に隠れ、汗ばむ肌を擦り合わせている。

――己が組み敷いている少女の青い瞳は、今は見えない。

彼女は大きく乱れることもなく、ただ必死に目を閉じて時間が過ぎるのを待ちわびているようだ。
そっと唇を胸に寄せると、彼女は逃れるように身を捩る。
「感じない…?」
悪戯っぽく問いかける。彼女は息を押し殺しながら「そんなこと…」と呟いた。
男をその身に受け入れるのが初めてらしい彼女は、羞恥心よりも痛みに耐えることに必死になっていた。

「くすぐったいのかな?」
胸から首筋へと舌を這わせる。
びくん、と少女の身体がわずかに跳ね上がる。
感じていないことを知りながらも舐りあげると、小さく彼女が「いや」と声をあげた。
その声を無視して奥深くに入れたモノを動かし始める。
ぐちゅぐちゃ、とこぼれ落ちる音。
初めてにしては、いや、初めてだからこそなのか。
少女の秘所は蜜に溢れ、瀬戸口は快感を享受する。
匂いたつ身体から唇を離し、顔を見つめる。
これほどまでに濡れていても痛みに苛まされている彼女を、ただ、抱きしめた。

「愛してるよ」
耳元でささやく。
それは告白などという優しいものではなく、少女を縛りつけるための呪いの言葉。
どんなに彼女を愛していても、恋人らしいことは何一つしてあげられないというのに。
「本当ですか…?」
「…さぁな…」
酷い言葉を発した口で、彼女の唇をひたすらに貪る。
もう後には引けなかった。
少女を愛すれば愛するほど罪悪感は深まって、あの人の存在が鮮やかになっていく。

そして。
瀬戸口は全てを吐き出した。